フェアリードールの思い出
来年1月、バレエ協会関西支部主催のバレエ芸術劇場は「パキータ」と「フェアリードール」が上演されます。
「フェアリードール」全幕が日本で初演されたのは約30年前。このバレエ芸術劇場の舞台でした。
その際幸運にも主役フェアリードールを踊らせていただきました。
当時この作品のためにロシアからドゥジンスカヤ先生をはじめ、沢山の先生方が来日され、今まで見た事がないこの作品のリハーサルがスタートしました。
映像で見ていて、楽しい作品で是非とも踊りたい!と熱望していましたがオーディションで選ばれた時はビックリ。
またリハーサルを重ねるうち幾度もプレッシャーに押し潰されそうになりました。
フェスティバルホールで二日間の本番。
本番前、数日間にわたる劇場での舞台稽古やオーケストラ合わせ。連日の緊張感はMAXに。
そして緊張しながらも皆さんに支えていただきながら無事初日は終えましたが、二日目は気力、体力を使い果たした状態で迎え、もう無理…と逃げ出したくなるくらいの気持ち。
そんな本番前、舞台のど真ん中からフェスティバルホールの広い客席を見つめていたら、周りにいた女の子が「私もいつかここで真ん中踊りたい!」って声が。
この言葉にハッとさせられ、自分が今ここで頑張らないと!と。
全てが限界でしたが、周りの方々、ダンサーたち、お客様の拍手に支えられ、初日より良い出来で最後まで踊り切ることができました。
苦しくても気持ちの持ち方で、自分のカラダは限界を超えることができる…
その時のことを今でも忘れることはありません。
踊り終え責任を果たせた安堵感、幸せいっぱいの舞台でした。
日本初演の舞台はとても好評に終わり、今でも交流がある素晴らしいダンサーたちと一緒に踊った「フェアリードール」は、忘れられないワタシの代表作です♡